まーしーのロンドン大医学部生活

University College London医学部6年生のロンドン生活、医学部での経験をお伝えします!(内容は個人の見解に基づくものであり、所属組織・その他団体と一切関係ありません)

Vision Hacker Awards 最終報告会

ブログで報告しそびれてしまっていましたが、5月にVision Hacker Awards for SDGs 3 2021のシード賞を受賞し、先日そのオンライン最終報告会がオンラインに参加しました。

 

VHAとは?

vision-hacker-awards.jp

認定NPO法人ETICがビル&メリンダ・ゲイツ財団から協賛を受けて実施したこのアワードは、国際保健課題に取り組む人材を、

  • プロジェクト拡大のためのメンタリング
  • ネットワーキング機会の提供
  • 情報発信支援
  • 資金提供

等の形で5か月間にわたりサポートする取り組みです。

私は、5月の時点ではアイデア段階だった低中所得国におけるグローバルヘルス人材育成プロジェクトについてプレゼンし、シード賞受賞者の1人に選出されました。

先週は、ご支援いただいたこの5か月間の進捗や今後の展望について発表し、国際保健や社会企業分野の専門家からフィードバックをいただきました。

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↑先週の最終報告会でのプレゼンの様子

 

私が立ち上げているプロジェクトについて

私は現在、日本国内外の医学部で学ぶ医学生や若手医師と一緒にTOMO Global Health Projectという取り組みを立ち上げています。

このオンラインプロジェクトは、様々な国の若手ヘルスケア人材が、

  • 国際保健課題にグループで取り組む"Case study"
  • 各々のビジョンや目指す姿を他の参加者との対話を通して深堀りする"Peer coaching"
  • (将来の展望として)参加者それぞれが地域保健課題に関するプロジェクトを実践する"Project based learning"

の3つの要素を通して、国際保健分野の知識、課題認知力・解決力、リーダーシップ、多様性享受性を兼ね備えたグローバルヘルスリーダーを持続的に育成し、世界にまたがるネットワークを構築することを目的としています。

 

プロジェクト立ち上げの背景

パンデミックを受けて各国でヘルスケア分野でのリーダー育成の必要性が叫ばれているものの、国際保健に医学教育の中で触れる機会や、リーダーシップを伸ばす環境は十分とは言えないと一医学生として感じています。

私は高校時代の留学を通して、ディスカッションを通して異なるバックグラウンドの人と意見交換をし課題解決を目指すプロセスがとても楽しい上に価値があると気づきました。今後のパンデミックや医療課題に立ち向かえる社会をつくるために、医学教育においても個人の課題認知力や課題解決力がもっと重要視されるべきです。

オンライン交流会や勉強会は最近多く開催されていますが、参加者間の関係性が希薄になりやすいことが課題とされています。

私たちのプロジェクトでは、少人数グループワークを通したチームワークの醸成やコーチングによる価値観の共有を通して、互いに刺激しあい将来の協働に繋がるような強いネットワークの構築を目指しています。

SDGsゴール3(国際保健分野)の中でも、開発途上国における保健人材の育成、定着、能力開発がターゲットの一つに盛り込まれているので、医学生という立場から活動を開始することに意義があると考えています。

 

医学部の勉強と両立しながら頑張ります!

今月中旬から、ケニア、日本、イギリス、キプロスなどの学生を集めて1か月半にわたるパイロットプログラムを実施します。

その後、他の国からの参加者を巻き込んで、様々な国際保健課題を扱い長期的な関係性を構築できるプログラムへと発展させていきたいです。

このプロジェクトを進めることがとても楽しいので、チームメンバーと協力し専門家の方からサポートいただきながら、少しずつ前進していきます!