まーしーのロンドン大医学部生活

University College London医学部6年生のロンドン生活、医学部での経験をお伝えします!(内容は個人の見解に基づくものであり、所属組織・その他団体と一切関係ありません)

学びが多い老年内科の実習

この3週間、老年内科で実習をしていました。

昨年9月に病院実習を開始してから、実は初めて毎日朝から夕方まで実習がありました。

まだかろうじて病院に向かう朝も帰路に着く夕方も明るいですが、これから年末にかけてどんどん暗くなるんだろうなあと思うと憂鬱です…。

 

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↑先週3回目のコロナワクチン(ブースター)を接種しました!インフルエンザワクチンも同時に打ったのでさすがに腕が痛かったですが、熱などはなく1日で回復しました。

 

患者さん個人を大切にするアプローチ

同じ病棟に3週間毎日通い続けるなんて長すぎると考えていましたが、終わって振り返ってみるとあっという間でした。

これまで回ってきた診療科では、主訴が一つはっきりしている患者さんを診ることが多かったのですが、老年内科で入院している患者さんは、多くの疾患を併発していることが多いです。(中には100歳超えで基礎疾患が何もない方もいましたが…!)

そのため、全ての疾患を積極的に治療していくというよりも、Biopsychosocial modelといって、身体的側面・精神的側面・社会的側面を総合的に鑑みて患者さんと一緒にケア方針を決めていくアプローチが取られています。

患者さんそれぞれのQOL(生活の質)を維持するお手伝いをしたり、再入院を防ぐために家族やケアラーとの連携や退院後のサポートの調整をしたりするには、高いコミュニケーション能力が求められていると感じました。

こういったソフトスキルは中々短期間で身につくものではありませんが、それでも臨床実習2年目ということで、去年よりも病棟のチームの一員として微力ながら貢献できるようになったのではないかと思います。

 

実習中のモチベーション維持

去年より任せてもらえることが増え自由度も大きくなったので、実習で経験する内容にさらに個人差が生まれる気がします。

病棟でただ時間を過ごすだけではなく、「今日の実習では○○の患者さんの医療面接をした後医師の先生とケースディスカッションをしよう」「今日は認知機能検査を実践してみよう」などと目標を自分で設定していく姿勢が大切だと思っています。

実際に、朝の回診前に病歴・バイタルサイン・検査結果等をまとめてカルテを準備したり、採血リストを自分で確認して必要な採血を行ったり、理学療法士(physiotherapist)の方に交じってリハビリのお手伝いをしたりしていました。

また、看護師の方に監督していただきながら、去年マネキンでしか練習できなかった血糖値測定や尿道カテーテル挿入を実践できました。

身体診察に協力的な患者さんが多かったので、スムーズに診察を進めて心雑音や肺音を聞き分ける練習をたくさん積むことが出来ました。

 

明るい雰囲気のチーム

毎日意欲的に実習に取り組めたのは、病棟の雰囲気がとても明るく、医療スタッフの皆さんが医学生を快く受け入れてくれたからです。

特にトップの医師の先生が明るく、4時間を超える病棟回診の時の指導も熱心で、途中休憩では全員分紅茶を入れてくださいました…!

場の雰囲気を和ませるような方で、ポジションに関わらず病棟のメンバー皆の意見に耳を傾けていらっしゃったので、私も将来こうなりたいと思いました。