6週間ケープタウン(南アフリカ)に行ってきました!
4月下旬から6月頭まで、医学部最終学年に組み込まれている'Elective'という期間を使って南アフリカのケープタウンに滞在していました!
イギリス以外の国で1か月半も過ごすのは久しぶりで、初めての南アフリカの魅力をどっぷり感じることができました。
Electiveとは?
日本語に直訳すると「選択実習」といった意味ですが、医学生の間では「海外で自由に実習を組める期間」という認識です。
大学によって期間や時期は異なるのですが、UCLでは卒業試験が終わってから8週間のElective期間が与えられ、その中で6週間以上の実習を各自組みます。
と4段階にわたって1年以上かけて準備します。
日本の医学部では自大学が提携している海外の大学にお世話になる場合が多いと聞きましたが、イギリスではあまりそのようなケースは聞かず、行きたい国や地域・やりたい診療科を基本的に自分で決めて自分で大学(病院)に連絡を取ります。
もちろん海外に行かなくても良いので、私の学年にはイギリス国内でElectiveを行う学生もたくさんいます。
というのも、私たちが準備を始めた昨年初めはCOVID-19の終焉が見えておらず国外の医学生の受け入れの目途が立っていない病院が多かったうえ、特にUCL系列の病院だと(海外実習をアレンジする場合と比べて)費用も手間もかからないからです。
ケープタウンを選んだ理由
日本を含め色々な国の選択肢があった中で私が南アフリカ、ケープタウンを選んだ理由をいくつか紹介したいと思います。
奴隷制度やアパルトヘイトの歴史を持つ都市
ケープ植民地としてオランダやイギリスによる支配や奴隷輸入が行われ、その後白人と非白人を隔離するアパルトヘイトが行われた歴史を持つ場所で、現在どのように様々なルーツを持つ人々が共存しているのか興味がありました。
↑Cape Town Free Walking Tourで回ったCape High Courtでは以前人種区別が行われていたので、今も'White only' 'Non-white only'と書かれたベンチが置いてあります。
ケープタウン大学
ケープタウン大学(University of Cape Town)は、世界ランキングがアフリカで1位の総合大学です。
私は国際保健に興味があるため将来Master of Public Health (MPH)といった公衆衛生関連の修士号を取得したいのですが、アフリカ全土から学生が集まるケープタウン大学でのMPHコースも非常に魅力的だと考えています。
しかし、ネット上で見つかる情報はかなり限られていたので、実際にキャンパスを訪問し学生や教授と交流しながら大学やコースについて理解を深められたらと思いました。
↑ちょうど年に1回のオープンキャンパスが開かれていた時のメインキャンパス。テーブルマウンテンの斜面にたくさんの建物が立ち並んでいるので、階段や坂が多くキャンパスを歩き回るだけで良い運動です。
雄大な自然
ケープタウンはテーブルマウンテンという有名な山(山の稜線がまっすぐでテーブルの様)の麓に広がった都市で、南部のケープ半島は大西洋とインド洋両方に面しています。
実習以外の時間を有効活用して、ロンドンでは普段感じられない海と山両方の自然を満喫できそうだと思いました。
余談:日本でElectiveを行わなかった理由
実は、4年生ごろまで「日本で将来働きたいかを考えるためにも、就職前に家族と時間を過ごすためにも、日本でElectiveをしたい!」と考えていました。
しかし、私たちはパンデミック中に病院実習を始めたことから、臨床実習経験を卒業前に担保するために、Electiveは必ず「医学生が臨床手技・診療に積極的にかかわるもの」でなければいけなくなってしまいました。
(パンデミック前は、研究、医療コンサル、公衆衛生系のElectiveも実施可能でした)
そこで、日本の病院での海外実習生の受け入れ態勢を確認したところ、見学生(observership)として受け入れてくれる病院はいくつもあったのですが、私の大学が求める実習の規定を満たすところが当時中々見つかりませんでした。