まーしーのロンドン大医学部生活

University College London医学部6年生のロンドン生活、医学部での経験をお伝えします!(内容は個人の見解に基づくものであり、所属組織・その他団体と一切関係ありません)

イギリスにおけるオミクロン株の感染拡大に対する規制

日本でも年明けからオミクロン株の感染者数が増え続けているので、既に感染のピークを越えた様相を呈しているイギリスの現在の状況をお伝えします。

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↑実習後久しぶりに行ったサウスケンジントンの自然史博物館(Natural history museum)

 

オミクロン株の影響

イギリスではオミクロン株の感染がクリスマス~年末にかけて急激に広まり、多い時は1日約20万人の感染者が発生していましたが、入院患者数・死者数はそれほど増えなかったので、現在予定通り病院実習が行われています。

病院のベッド数はこれまでの感染の波に比べて逼迫していないものの、病院関係者の間で感染が広がり欠勤が増えた影響で、感染していないスタッフの負担が増えたり、学生指導の時間がなくなったりしています。

 

また、気のせいかもしれませんが、年が明けてからスーパーの品ぞろえが悪くなった気がします。

先日私がよく行くスーパーでは、葉物野菜がほぼ入荷しておらず、代わりに一面ブロッコリーが陳列されていました。笑

 

ワクチン接種者はオミクロン株に感染しても重症化することが少ないと言われていますが、陽性だった場合自宅隔離が必要となる点はこれまでの変異株と変わらないので、おそらく運搬等にも影響が出ているのではないかと思います。

 

現在の隔離ルール

こうした社会インフラを守るために、イギリス政府はコロナ規制をどんどん緩めています。

例えばロンドンのあるイングランドでは、

  • 症状の有無にかかわらず、PCR検査もしくはLFT(簡易抗原検査)で陽性が出た場合は即座に自己隔離を開始する(以前はPCR検査で陽性判定を確定する必要がありましたが、簡易検査の判定がそのまま使えるようになったことで、すぐに隔離日数カウントを始められ結果的に早く隔離が終わる)
  • 症状が出始めてからもしくは陽性と判定されてから、5日目と6日目に簡易検査を受け両方陰性であれば隔離終了
  • 陰性判定がなくても10日目で隔離終了
  • 陽性の人と接触していた場合は、自己隔離をする必要はないが1週間毎日簡易検査を行う

と隔離期間が以前より短くなっています。

 

www3.nhk.or.jp

そして明日以降は規制がほぼ撤廃され、屋内や混んだ場所でのマスクの着用が「義務」から「推奨」に変更されます。

日本ではマスクをしない人はほとんど目にしないと思いますが、イギリスでは、私の周りでもマスクは極力したくない(外に出た途端外す、窓が開いている部屋なら外す)人が大多数なので、マスクの着用率はかなり下がりそうです。

2月11日以降は、ワクチン接種済みであれば入国前後の検査や自己隔離も全くなくなるので、(フォームを記入する以外は)パンデミック前と同じように簡単にイギリスに入国することができます。

 

私の感染対策はこれまでと変わらず

私はまだCOVID-19に感染していませんが、ここまで感染が拡大すると本当にいつ罹ってもおかしくありません。

当たり前ですが、

  • 手洗いうがいを怠らないこと
  • マスクを屋内や人混みではきちんと着用すること
  • 免疫力を高めるために食事と睡眠をしっかり取ること

など自分で出来ることはこれからも意識していこうと思います。

今更ながら新年の抱負

もう1月も下旬ですが、明けましておめでとうございます。笑

すっかり投稿が滞ってしまいましたが、私は年明け4日から毎日実習に励んでいます。

 

現在は小児科で実習をしており、外来や入院病棟で多くの子ども達・親御さんとお話する機会をいただいています。

小児科は本当に楽しくて学ぶことも多いのでやりがいがあるので、また今度詳しく実習の様子をお伝えします。

 

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↑昨年末にロンドンのチャイナタウンで友人が撮ってくれた写真

 

ブログ開設1周年!

昨年1月にブログを開設してから1年が経ちました。

更新できない時期もありましたが、読んでくださりありがとうございます!

このブログを通していくつか新しいご縁にも恵まれ、感謝しています。

日々感じたことを文章でアウトプットすると自分の軸を少しずつ明確化できると思うので、今年もなるべく定期的に更新していけたらと思います。

 

2022年の抱負

目標を公に宣言しておくと頑張れると思うので、いくつかここに書き記しておきます。

医学部最終学年&初期研修医の準備

私はこの9月に6年生に進級、来年6月に医学部を卒業、8月から初期研修医としてイギリスで働き始める予定です。

そのため、6年生の実習先・実習内容、その後研修先などこの1年で決めなければいけないことが色々あります。

  • SSC(1か月好きな科で実習できる期間)のプログラム
  • Elective(卒業試験後海外で実習できる期間)の実習先
  • 初期研修の地域
  • 研究・教育などにも携われる初期研修プログラムに応募するかどうか

などなど。

イギリスでは初期研修の地域を選んで出願し、地域が決まってから研修先病院や担当する診療科が決まります。イギリス国内を実際に回って雰囲気を掴み、初期研修の2年間住む場所を選びたいです。

また、日々の実習と並行して、イギリス全土の医学部最終学年の学生が受験する

  • Situational judgement test (医療現場における様々なシチュエーションにおける判断能力を測る試験)
  • Prescribing safety assessment (薬を適切に処方できるか判定する試験)

に向けて準備もしなければいけません。

これまでの医学部のカリキュラムに比べて自由度が高いので、色々試しながら自分の興味を模索し、納得のいく決断・結果が得られれば良いなと思います。

国際保健プロジェクト

昨年5月に始動したプロジェクトがやっと1つ山を乗り越えました。

11月中旬から6週間、ケニア、日本、イギリス、キプロスの医療系学生を募集して「ケニアにおけるマラリア」をテーマにケーススタディを行い、国際保健分野の教授からフィードバックをいただきました。

英語ではありますが以下がケニアプロジェクトのまとめです↓

youtu.be

次回はネパールの保健課題を扱うケーススタディを行いたいので現在ネパールの大学と交渉しています。

様々な国の人と議論することや、協力して何かを一緒に作り上げていくことが好きなので、これからこのコミュニティを拡大するために尽力していきたいです。

ケニアにも今年中には行きたいです!!

フランス語学習

ぼちぼち会話レッスンを1年半ほど続けているフランス語ですが、最近自由会話だとそれなりに話せるようになってきたものの、トピックがどうしてもイギリスや医学の話に偏ってしまうので、語彙が増えないなと感じています。

検定試験を受験する予定はないのですが、検定試験のカリキュラムに沿って学習して、DELF B2レベルを目標に満遍なくフランス語の技能を伸ばしたいです。

 

一番大切なこと

上記の目標を達成するためにも、まずは心身ともに健康であること、しっかり休むときに休んでストレスを溜めないことが重要と思います。

美術館・博物館めぐり、ミュージカルやオペラ鑑賞、友達とのご飯などで医学から離れる時間も取って、興味の幅を広げていきたいです。

色々他にもやりたいことはあるのですが、自分を追い詰めすぎないようこのくらいにとどめておきます!笑

クリスマスが近づくロンドン

11月末からイギリスではかなり気温が下がり、外を歩いていたら雹に降られることもありました。

11月中旬から徐々に、色々なエリアでクリスマスマーケットが開かれたり、Winter Wonderlandという移動式遊園地がHyde Parkに作られたりと、去年は見られなかったお祝いモードが高まってきています!

 

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↑有名なOxford Circus付近の毎年恒例ライトアップ

 

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↑Charbonnel et Walkerというトリュフチョコで有名なチョコレート屋さんのクリスマス限定アソートメントボックス。お酒のきいた美味しそうなチョコが多くて惹かれます…!

 

不思議の国のアリスの特別展

Victoria and Albert Museumというロンドンの美術館で、年末までの期間限定で開催されていたアリス展に行ってきました!

原型となった「地下の国のアリス」のイラストから、様々な国で不思議の国のアリスの映画が上映された際のポスター、現代風アレンジまでとても見ごたえがありました。

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また、VRを使ってアリスの世界を体験できるブースがあり、穴に落ちていくシーンやトランプの兵隊に囲まれるシーンがとてもリアルで驚きました!

小学校の時不思議の国のアリスの英語劇をやったことが懐かしかったです。

この美術館では、来年頭にピーターラビットの展示が始まるらしいので、また訪れたいなと思います。

 

ブラックフライデーの戦利品

11月26日の金曜日はブラックフライデーだったので、その前後に様々なお店で特別セールが行われていました。

イギリス生活は5年目に突入したものの、実はこれまでブラックフライデーに何か特別に買いものをしたことがなく、今年こそ何か良いものを見つけたいなあと思っていました。

そして、大好きなハーブティーの会社のアドベントカレンダーAmazonで半額になっているのを発見し、購入しました!

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ティーバックの上に日付が書いてあるので、毎日1つずつ違うハーブティーのフレーバーがクリスマスまで楽しめます。

普段は1箱につき20-40個のティーバックが詰まっていることが多いため、中々新しいフレーバーに手を出していなかったのですが、このアドベントカレンダーで新しいお気に入りを見つけたいなと思います!

精神科の実習で得た気づき

前回に引き続き、精神科での実習についての記事です。

今回は、実習を通して私が考えたことや気づいたことについて書いていきたいと思います。

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↑先日UWCつながりで、ケニアとベルギーの友達と料理をしました!

 

どうやって「患者さん中心」の問診を進めていくか

精神科専門医の先生は、入院患者さん一人一人と少なくとも週に1時間個室で話し合いの時間を取ります。

患者さんの同意が取れた時は、私もミーティングに同席しました。

時には患者さんの家族や他の精神科関連分野のスタッフも呼んで、患者さんの近況を詳しく確認しマネジメントプランを必要に応じて練り直します。

患者さんの精神状態を確認するにはもちろん本人に喋ってもらうのが一番ですが、患者さんによってはやり取りがとても難しいと感じました。

精神科に限らず患者さんから問診を取る際は、Open question(5W1Hで始まるような回答が自由な質問)とClosed question(「はい」か「いいえ」で答える質問)をうまく組み合わせて質問していくのですが、学習障害がある患者さんとのやり取りでは、誘導尋問になってしまわないように、言葉のチョイスに細心の注意を払って分かりやすい質問を投げなければいけません。

また、ミーティングの序盤は口数が少なかった患者さんが徐々に、性的暴力の経験がいまだにとても苦しいこと、対処の仕方が分からなくて辛いことを打ち明けたこともありました。

患者さんの話を全て聞き、沈黙の時間も取りながらケアのニーズをゆっくり深掘りしていく姿勢が大切と感じました。

専門医の先生が、「患者さん中心」で問診を進められるように、患者さんによって対話のアプローチを変えていたことが印象的でした。

 

医療者として何ができるか

実習中に最も記憶に強く残っている精神科専門医の先生のコメントを共有します。

「自殺願望がある患者さんに対して、コミュニティケアを充実させたり1対1で看護師さんをつけたりして自殺のリスクを少なくする手助けはできる。しかし、自殺の意思自体を変えることはできない。自殺遂行の計画を周囲に頼らず一人で綿密に立てるような患者さんが一番ケアを必要としてるけれど、一番リーチするのが難しい」

検査結果や数値で正確に状態を評価することが難しい精神疾患の治療において、医療者としての限界を日々感じていらっしゃるようでした。

ちなみに、コーランでは自傷行為が禁止されているため、ムスリムの患者さんにとっては宗教が一番の自殺抑制要素になるそうです。

 

まとめ

老年内科、精神科と長期の治療を必要とする診療科での実習を通して、将来は患者さんと長く関係性を築いていく科に進みたいなと考えるようになりました。
  • 病気の治療だけでなく、生活の質を向上するお手伝いができるから
  • 患者さん個々人にあった治療を提供するには医療スタッフのチームワークが非常に重要であるため、その結果病棟での医療スタッフ間の関係性が良いから

というのが主な理由です。

元々外科を希望して医学部に入学しましたが、イギリスの外科医は手術直前・直後以外患者さんと接する機会がないため、将来のキャリアの方向性が変わりそうです。

実習を経た精神科に対する印象の変化

この3週間、精神科の病棟で実習をおこなってきました。

今年の始めの授業で「精神科の実習では、聴診器や名札を首から下げて病棟内を歩かないでください。患者さんにもしかしたら首を絞められるかもしれないから。」と実習担当の先生に言われたこともあり、実習開始前は不安がありました。

 

想像していたよりずっと明るい雰囲気でした!

実際に実習を始めてみると、私が過ごした病棟では、

  • 患者さんがそれぞれのペースで精神疾患に向き合い乗り越えていくために、どのようなサポート(治療やモニタリング)が出来るか
  • 病棟という共同生活スペースを快適にするにはどんな改善が必要か

とチーム一丸となって考える機会が多く、抱いていた精神科の印象よりずっと明るくオープンな雰囲気でした。

また、

  • 患者さんのマネジメント会議で医学生として発言したり、
  • 看護師の方にご指導いただきながら臨床手技を行ったり、
  • ヘルスケアアシスタントの方の同伴のもと、患者さんと病歴や治療方針について対話したり

医学生として貢献できることもたくさんありました。

毎朝病棟スタッフ全員で行うミーティングでは、「名前・役職・病棟で安全と感じるか」を一人ずつ発言していきます。

スタッフもしくは患者さんに危険が及ぶと感じた出来事があればすぐに全体で共有できますし、忙しいと軽視しがちな自分の感情を振り返る機会になっていると感じました。

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↑10月末は晴れている日が多く、実習中のお昼休みには近くの公園でお散歩をしてリフレッシュしていました!

 

実習中に担当していたこと

心電図

驚くことに、精神科の実習で一番担当することが多かったのは心電図でした。

抗うつ薬抗精神病薬の中には、心電図の波形のQT間隔を延長させてしまうものが多くあり、このQT間隔が長くなりすぎると心室細動や突然死のリスクが高くなってしまいます。

そのため、心電図で頻繁にQT間隔をモニタリングして、薬の副作用のリスクが効果を上回らないように量を調整する必要があります。

また、不安障害から胸の痛みを訴える患者さんもいたので、この場合は心臓の疾患を併発していないか確認するために心電図を行いました。

心電図を取る際には胸や手足首に電極シールを貼るのですが、綺麗な波形を取るためには正しい位置にシールを貼り、じっとしてもらわなければいけません。

精神疾患を持つ患者さんは低体重の方から肥満の方まで体形が様々で、また静止することが難しい患者さんもいましたが、この実習中にどんな患者さんでもきちんと心電図を取れるようになったと思います。

研修医の先生の補助

心電図の他には、患者さんの心拍数・酸素飽和度・血圧・体温・呼吸数といった数値を測って記録したり、採血したりして研修医の先生のタスクを補助していることが多かったです。

また、身体疾患のマネジメントについて病院内の他の診療科とやり取りをしたり、身体検査を受ける精神患者さんに対して検査の準備や内容について簡単な言葉で説明したりして、医療スタッフや患者さんとのコミュニケーションも実践に移すことができました。

 

次回は精神科実習の振り返り

精神科の実習を通して色々考えることがあったので、次回しっかり書き記したいと思います!

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↑ハロウィンが終わりクリスマス商品がスーパーに増えました!チョコレートが本当に種類豊富で、いつも後ろ髪を引かれています。笑

最近訪れたロンドンのレストラン

真面目な医学部や課外活動の記事が続いていたので、ロンドンで最近行ったレストランを紹介します!

 

本題の前に少し宣伝

この9月まで代表を務めていたIDDP(英国開発学勉強会)が、今月17日発売の国際開発ジャーナル社の「国際協力キャリアガイド 2021-22:新たな形をデザインする」で紹介されています!

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他運営メンバー3名と一緒にインタビューしていただいた記事が掲載されているので、是非ご覧ください!

 

Flat iron

こちらは、ロンドンでいくつか支店があるステーキ専門店です。

サイドディッシュと飲み物を除けば、メニューはステーキ1種類、ハンバーガー1種類(時々本日のおすすめも)ととてもシンプルなお店ですが、お店の前には頻繁に行列ができています。

ステーキは12ポンド(今のレートで1800円程度)と、ロンドン中心にしてはお手頃な価格設定なので、着席すると塩味のポップコーン、そして食後には塩キャラメル味のソフトクリームがサービスされます!

このソフトクリームが本当にとても美味しかったので、また訪れたいと強く思いました…!(もちろんステーキも美味しかったです。笑)

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Bancone

毎日店頭でパスタを作っているパスタのお店です。

おしゃれな空間の中で、本場イタリアのパスタの他にも前菜やデザートをいただくことができます。

私は友達と行って2種類のパスタをシェアしたのですが、どちらもとても美味しかったです!

ちなみに卵黄(のコンフィ)が乗っている方はこのお店の代表メニューで、「絹のハンカチ」という名前がついています。

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Ravi Shankar Bhel Poori

インド留学時代のご飯が懐かしくなった時に訪れる、UCL近辺のベジタリアンインド料理のお店です。

私の大好きなパニール(インドのカッテージチーズ)とほうれん草がたっぷり入ったドーサ(米粉のクレープ)がお気に入りで、いつも頼んでしまいます。

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ドーサにつけるサンバル(野菜スープ)と2種のココナッツチャツネまで、とても美味しいです!

お昼にはビュッフェ形式の食べ放題が7.5ポンドで、野菜とスパイスをたっぷり摂取したいときにおすすめです。

 

たまに外食をすると良い息抜きになります!

この秋に新年度が始まってから、友達とのご飯やお出かけの用事が増えました。

自炊以外の料理を食べることも、久しぶりに再会する友達と近況報告をしたり悩み事を共有したりすることも、実習に励む毎日の良い息抜きになっています!

Vision Hacker Awards 最終報告会

ブログで報告しそびれてしまっていましたが、5月にVision Hacker Awards for SDGs 3 2021のシード賞を受賞し、先日そのオンライン最終報告会がオンラインに参加しました。

 

VHAとは?

vision-hacker-awards.jp

認定NPO法人ETICがビル&メリンダ・ゲイツ財団から協賛を受けて実施したこのアワードは、国際保健課題に取り組む人材を、

  • プロジェクト拡大のためのメンタリング
  • ネットワーキング機会の提供
  • 情報発信支援
  • 資金提供

等の形で5か月間にわたりサポートする取り組みです。

私は、5月の時点ではアイデア段階だった低中所得国におけるグローバルヘルス人材育成プロジェクトについてプレゼンし、シード賞受賞者の1人に選出されました。

先週は、ご支援いただいたこの5か月間の進捗や今後の展望について発表し、国際保健や社会企業分野の専門家からフィードバックをいただきました。

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↑先週の最終報告会でのプレゼンの様子

 

私が立ち上げているプロジェクトについて

私は現在、日本国内外の医学部で学ぶ医学生や若手医師と一緒にTOMO Global Health Projectという取り組みを立ち上げています。

このオンラインプロジェクトは、様々な国の若手ヘルスケア人材が、

  • 国際保健課題にグループで取り組む"Case study"
  • 各々のビジョンや目指す姿を他の参加者との対話を通して深堀りする"Peer coaching"
  • (将来の展望として)参加者それぞれが地域保健課題に関するプロジェクトを実践する"Project based learning"

の3つの要素を通して、国際保健分野の知識、課題認知力・解決力、リーダーシップ、多様性享受性を兼ね備えたグローバルヘルスリーダーを持続的に育成し、世界にまたがるネットワークを構築することを目的としています。

 

プロジェクト立ち上げの背景

パンデミックを受けて各国でヘルスケア分野でのリーダー育成の必要性が叫ばれているものの、国際保健に医学教育の中で触れる機会や、リーダーシップを伸ばす環境は十分とは言えないと一医学生として感じています。

私は高校時代の留学を通して、ディスカッションを通して異なるバックグラウンドの人と意見交換をし課題解決を目指すプロセスがとても楽しい上に価値があると気づきました。今後のパンデミックや医療課題に立ち向かえる社会をつくるために、医学教育においても個人の課題認知力や課題解決力がもっと重要視されるべきです。

オンライン交流会や勉強会は最近多く開催されていますが、参加者間の関係性が希薄になりやすいことが課題とされています。

私たちのプロジェクトでは、少人数グループワークを通したチームワークの醸成やコーチングによる価値観の共有を通して、互いに刺激しあい将来の協働に繋がるような強いネットワークの構築を目指しています。

SDGsゴール3(国際保健分野)の中でも、開発途上国における保健人材の育成、定着、能力開発がターゲットの一つに盛り込まれているので、医学生という立場から活動を開始することに意義があると考えています。

 

医学部の勉強と両立しながら頑張ります!

今月中旬から、ケニア、日本、イギリス、キプロスなどの学生を集めて1か月半にわたるパイロットプログラムを実施します。

その後、他の国からの参加者を巻き込んで、様々な国際保健課題を扱い長期的な関係性を構築できるプログラムへと発展させていきたいです。

このプロジェクトを進めることがとても楽しいので、チームメンバーと協力し専門家の方からサポートいただきながら、少しずつ前進していきます!