まーしーのロンドン大医学部生活

University College London医学部6年生のロンドン生活、医学部での経験をお伝えします!(内容は個人の見解に基づくものであり、所属組織・その他団体と一切関係ありません)

COVID-19に振り回された今学期が終わりました

1月に始まったモジュールが、今日終わりました!

ちょうどイギリスが第2波に追われている時に、COVID-19の影響を直に受ける呼吸器内科、循環器内科、内分泌代謝・糖尿病内科、救急の4つの診療科で実習を行ってきたので、特に大変だったこと、身についたことをまとめておきたいと思います。

 

大変だったこと

病院のひっ迫による実習・授業の減少

COVID-19の感染拡大により、”Emergency”というモジュールにカリキュラムが今学期再編成され、頻繁に実習スケジュールが変わったり、オンライン授業が中止・振替になったりしました。

本来であれば、呼吸器内科と循環器内科それぞれの入院患者さんと外来患者さん両方を診る経験を積みますが、

  • 外来診察が無くなった
  • 2月下旬までほぼCOVID-19の患者さんばかり入院していた

という2つの理由から、結局3か月のモジュールのうち2か月はCOVID-19以外の疾患を診る機会があまりありませんでした。

また、呼吸器系または循環器系の疾患を見つけるための身体検査や聴診器の使い方を練習する際、普段ならBedside teaching(医学生が入院患者さんを診察する様子を医師の先生に評価していただく機会)があるのですが、感染防止の観点から今学期はありませんでした。

内分泌代謝・糖尿病内科においては、外来患者さんも入院患者さんも診る機会がなく、オンライン授業で知識をインプットするのみで終わってしまいました。

そのため、「身に着けるべきスキルが欠落しているのではないか」「行えていない実習分をどう補っていけば良いのか」と焦る気持ちが大きかったです。

 

実習・授業のスケジュールを何度も練り直してくださった先生方に感謝

しかし、病院がひっ迫している状況でも、私たちがなるべく多くの実習経験を積み、(録画ではなく)オンライン講義を受けられるように、先生方が何度もスケジュールを調整してくださいました。

パンデミック前の学生と比べると、確かに今学期は様々な疾患を目にする機会がなく、患者さんを診る時間も減っていましたが、それでも病院内の色々な場所で経験を積み、夜勤やOn call (緊急時の呼び出しのためずっと待機)など異なる勤務形態を体験できました。

 

 

身についたこと

臨床手技

オンラインの臨床手技の授業に加え、2月から少しずつ再開した少人数での対面セッションを通して、今学期は

を練習しました。

これらのスキルは、救急の実習で実際に患者さんに行う機会があったので、慣れてきたと思います!

ma-c-s.hatenablog.com

 

タイムマネジメント

スケジュールがころころ変わる実習や普段の課外活動に加え、今年に入ってから

  • ICUでのコロナ対応
  • オンライン開催の日本の学会での口演
  • 日本の医学生との学術誌レター執筆、提出
  • 新しい医療系学生グループでの活動

など新しいことに取り組んでいたので、時間を効率的に使いタスクをこなしていく能力が今まで以上に求められていたのではないかなと思います。

 

問診

救急の実習ではとても実践的な経験が積めました。

  1. 私がまず患者さんを問診し、簡単な身体検査を行う
  2. 先生に問診・身体検査の所見をプレゼンする
  3. 先生と一緒に患者さんのもとに戻り、症状をおさらいし今度のマネジメントについて話し合う
  4. 先生から私の問診についてフィードバックをいただく

という流れで丸1日過ごしていたので、それぞれの主訴に対して、どのような鑑別診断が挙げられるか、またその中から疾患を特定するためにどのような質問・検査が必要か、考える練習をしました。

学年末試験のOSCE(実技試験)では、5分で問診とプレゼンを終えなければいけないので、もっと経験を積んでいきたいです!

 

来学期も頑張ります!

これから2週間弱イースター休暇なので、遅れている分を取り戻したり後回しになっていた課外活動に取り組んだりしつつ、ちゃんと休養を取りたいと思います。

 

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 ↑イースターが近いので、スーパーには大きな卵型のチョコレートがたくさん並んでいます!!

 

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↑ロンドンでも桜(らしきもの)が満開です!日本の春が恋しいですが、イギリスで春を感じています。