どうしてUCLの医学部を選んだの? ④学費・学習環境
前回は、イギリスの医学部合格を目指すと決めてから、出願大学を選ぶ際に私がどのようにカリキュラムを比較したかまとめました。
大学選びでは、専攻のカリキュラム以外にも、学費や学習環境といった大学生活に大きく影響する要素も無視できません。
↑雪や雨が続いていましたが、久しぶりに晴れて暖かい日でした!
学費
留学生の学費は高い
イギリスの大学では、どの専攻でもHome student(イギリス人)とInternational student(留学生)と2つの学費が設定されています。
Brexit前はEUの学生もHome student扱いでしたが、今秋入学の選考からEUの学生もInternational扱いになるそうです。
Home student向けの学士課程の学費は、多くの場合専攻や所属大学に関わらず一律年9250ポンド(現在のレートの日本円で約130万円)ですが、留学生の学費はHomeの学費より高く、また上昇幅も様々です。
医学部留学生の学費は特に高い
留学生枠の学費は、概して理系のコースの方が高く、その中でも医学部は各大学の中で一番学費が高く設定されていることが多いです。
また、大学間の差が大きく、例えば、
- ケンブリッジ(おそらく一番高い):58000ポンド(約830万円)/年
- UCL(安め):36900ポンド(約530万円)/年
と同じ医学部の留学生枠でも大きな差があります。
ちなみに、イギリスの大学が留学生向けの奨学金を用意している場合は稀なので、民間の財団や留学支援団体を探し別途応募する必要があります。
学習環境
医学部の場合5~6年その大学に籍を置くことになるので、学習環境は見逃せません。
留学生サポート
留学生が多く在籍している大学の方が、学習面でも生活面でも充実したサポートを受けられると思います。
UCLでは18000人以上の留学生が勉強しているからか
- 英語の課外コース
- 渡英する際のGP(かかりつけ医)登録やビザのサポート
が充実している印象を受けます。
また、留学生の人数が多い方が、留学生の待遇に関する意見が大学に届きやすいと思います。
例えば、現在パンデミックの影響で多くの留学生が自国からオンライン授業を受けている状況を鑑みて、授業料減免または免除を求める運動が起こっています。
(といっても、ビザの身分の留学生はPetitionと呼ばれる請願書に署名できないので、政府に働きかけることは出来ないのですが…)
周りの学生との交流
理系の学部のみを設置している大学に行くのか、多様な学部を要する総合大学に行くのかで関わる学生のグループが変わってきます。
また、日本でいう大学での部活やサークル活動に当たる「Society(ソサエティ)」の豊富さも大学によって違います。
割く時間の量もソサエティによって差が大きいので、授業スケジュールによっては参加が難しそうなものもありましたが、どのソサエティに加入しようか考えるととてもわくわくしました!
ちなみに、日本と同じようにイギリスの大学にも医学部専用のソサエティがありますが、スポーツ系だけでなく、教育系(例:外科ソサエティ、解剖学ソサエティ)やボランティア団体などもあります。
私が所属しているソサエティや課外活動についても、これから少しずつ紹介していきます!
物価
長期間その地域で生活することになるので、日々の生活費・家賃等も考慮する必要があります。
地方都市であれば(特に)家賃がロンドンの比べ物にならないくらい安いことが大きなメリットです。
自分に合う大学をどうやって見極めるか
欲しい人物像について、大学のパンフレットやウェブサイトに記載されていることが多いですが、
- 大学周辺の雰囲気
- 学生や教授陣の印象
- 学習環境
を見定めるにはやはり実際に現地に出向くことが一番だと思います。
「百聞は一見に如かず」とはうまく言ったもので、(現在はパンデミックで難しいですが)可能ならOpen dayに参加して直感を大切にするのも良いと思います。
ちなみに、私は出願当時インドに留学していたので、面接で初めてUCLに行きました。
面接開始前の待合室で、留学生枠の他の受験生と話す機会があり、周りのレベルに終始圧倒されていました。
面接後に医学部受験生向けのキャンパスツアーに参加したところ、UCLの図書館や臨床手技練習施設の充実度、教授・学生のオープンな雰囲気に感銘を受け、「こんな大学の面接まで進めてラッキーだったな」と満足した記憶があります。笑
今はそんな環境で実際に学べているので、本当に恵まれているなと思います。