まーしーのロンドン大医学部生活

University College London医学部6年生のロンドン生活、医学部での経験をお伝えします!(内容は個人の見解に基づくものであり、所属組織・その他団体と一切関係ありません)

初めての夜勤

以前ご報告した足の怪我が大分治り、少しずつ病院実習に復帰しています。

先日初めて夜勤実習をこなしたので、その感想を残しておきたいと思います。

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 ↑初めての夜勤のお供は、日本から持ってきた貴重なソイジョイ

 

夜勤中におこなったこと

今回の夜勤は午後8時の引継ぎから翌朝6時まででした。

その日はロンドンで雪が降っており、また私が到着した時にはXLサイズのスクラブ(写真で着ている病院内での活動着)しか残っておらずダボダボだったので 、一晩中とても寒かったです。

現在COVID-19の患者さんを主に受け入れている病棟での夜勤でした。

看護師さんと病棟管理

病棟の構造について簡単に説明を受けた後、

  • 患者さん用のパジャマやタオルの補充
  • 就寝前に飲む薬、そして翌日朝食時に飲む薬の準備

のお手伝いをしました。

処方されている薬からそれぞれの患者さんの既往歴を紐解ける点はとても興味深いのですが、まだまだ薬理学の知識が足りないなと感じます。

新しい患者さんの受け入れ準備

夜間にCOVID-19の患者さんが1名緊急治療室から病棟に移ってくるということで、受け入れの準備をお手伝いしたり、その患者さんのケアプランに関するディスカッションに参加したりしました。

例えば患者さんを受け入れる前には、病棟内での患者さんの配置を変えてベッドを入れるスペースを確保したり、服薬管理に使用するDrug chartを新しく作成したりしておく必要があります。
また、患者さんが到着したら、薬の最適な投与量を求めるためにまず体重を計り、そして医師による簡単な問診を行います。

現在私の実習先の病院では、酸素吸入を必要とするCOVID-19の患者さんに対し、

を処方しています。

この2つの投与量は体重に依りませんが、呼吸補助を必要とする患者さんに対して呼吸補助開始後24時間投与するTocilizumab(免疫抑制の効果がある関節リウマチの治療薬)は、体重に応じて投与量を調整する必要があります。

新しく病棟にやってくる患者さんは、呼吸補助を受け始める予定だったのでTocilizumabも同時に投与開始したかったのですが、COVID-19に加えて様々な既往症がありました。

そのため、持病や現在服用中の薬とTocilizumabの相互作用をすべて確認しなければいけませんでした。

処方する薬に関する情報を集めるには、まずBNF(British National Formulary:英国国民医薬品集)を参照するのですが、すべての相互作用が網羅されているわけではありません。

比較的珍しい病気を持つ患者さんにとって、Tocilizumabのように今までと違う用途で処方されるようになった薬や新しく開発された薬が安全なのかどうかという点について、薬剤師さんにその都度確認する必要があります。

ちょっと休憩

病院内に医師の休憩場所があり果物・おやつが用意されているので、そこで午前2時半過ぎに休憩しました。

毛布にくるまって紅茶を飲んで、冷え切っていた体を少し温めました。

CT画像の分析

同じ日に夜勤を行っていた研修医の先生が、様々なCOVID-19の患者さんのCT画像を見せてくださいました。

呼吸器系や循環器系の徴候がどのように画像に反映されるか、いくつか例を説明してもらいました。

 

夜勤前後の過ごし方

今回夜勤当日と翌日には、日中の実習はなかったので、ゆっくり家からオンライン授業に参加していました。

時差ボケがあまりないタイプなので、今回の夜勤もあまり対策をしなかったのですが、4時過ぎに強烈な睡魔に襲われました。笑

少し調べてみたところ、

  • 夜勤前日に早く寝て、夜勤当日午後に昼寝する
  • 夜勤前日に夜更かしをして、朝遅めに起きる

と人によって対処方法は様々なようです。

次回は、夜勤当日午後に昼寝をしてみて、夜勤がこなしやすくなるか試したいと思います。