まーしーのロンドン大医学部生活

University College London医学部6年生のロンドン生活、医学部での経験をお伝えします!(内容は個人の見解に基づくものであり、所属組織・その他団体と一切関係ありません)

医学生としてコロナ対応のお手伝い ⑥お礼の数々!

イギリスは先週月曜から、ロックダウンの規制がさらに一段階弱まりました。

屋外の席であればレストランで飲食ができるようになったのですが、夕方はまだ冷えこむ日も多くディナーは行く気にならなかったので笑、休日にランチに行ってきました!

 

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普段はあまり外食しませんが、人と自由に会えていない分、一緒にレストランでお昼をいただいてとてもリフレッシュできました。

レストランやパブの再開ももちろん嬉しいですが、私はアパレルショップや雑貨屋さん等生活必需品以外を取り扱うお店が再開して、ウインドウショッピングを兼ねたお散歩が出来ることの方が嬉しいです!

少し薄手で素敵なものがあれば、実習に楽しい気持ちで臨むためにも新しい服を買いたいなと思っています。

皆今まで我慢していた分、先週から一気に人出が増えたと感じているので、これで感染が再拡大しないよう祈るばかりです…!

 

イギリスではCOVID-19の状況が劇的に改善

さて、本題に移りたいと思います。笑

このように行動規制が緩まるほどCOVID-19の患者数が劇的に減っているため、コロナ患者を積極的に受け入れていた私の実習先の病院でも、かなり負担が減りました。

例えば、

  • 今までコロナ病棟だった呼吸器科の病棟が通常運転に戻ったり
  • 手術が再開したり
  • (全員病院内の特別な作業着を着なければいけませんでしたが)普通の服で働けるようになったり

と、大分昨年秋ごろの状況に近づいてきました。

 

病院、医学部からのプレゼント!

一つ大きな試練を乗り越えたということで、実習先の病院そしてUCL医学部から、有志でコロナ対応に当たった学生にお礼の品が届きました。

 

実習先の病院からは、虹を象ったアイシングクッキーが届きました!

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ちなみに、イギリスでは宗教や主義によるフードダイバーシティ(食の多様性)がとても尊重されているので、このお礼のクッキーを申し込むときにも、ビーガン・グルテンフリーのクッキーの選択肢がありました。

 

医学部からは、コロナ対応に当たったことを示すレターと、「病院のヒーローになってくれてありがとう」とデザインされたマグカップ、(心身の疲労を癒すため?笑)アロマキャンドル、(写真にはありませんが)チョコレートをいただきました。

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改めてコロナ対応について今振り返ってみると、感染症の恐ろしさを体感したり患者さんの最期について考えさせられたりして精神的にも身体的にも大変ではありましたが、医学生として医療チームに参加して働くことは、とても貴重な体験だったと思います。

 

新学期が始まりました。

イースター休暇が明け、先週からリウマチ・膠原病内科と整形外科の実習が始まりました。

前学期と比べて大分落ち着いた状況で取り組めています。

引き続き感染予防策は徹底しながら、患者さんとのやり取りを大切にして問診や身体検査を繰り返し練習し、医師の先生からたくさんフィードバックを得て力を伸ばしていきたいです!

障がいのある子どものボランティアプロジェクト

以前課外活動として、途上国での子どもの福祉改善を目的とするチャリティー団体を紹介しましたが、今回はロンドンに住む障がいのある子どもとの交流ボランティアについて書きたいと思います。

 

どんな団体なの?

RUMS Spectrumという団体名で、RUMS(The Royal Free & University College Medical School)というのはUCL医学部の旧称なので、UCL医学部生が所属・運営しているチャリティー団体です。

UCL付近のエリアに暮らしている、身体障がいもしくは精神障がいを持つ18歳以下の子どもとその家族を対象に、年単位で継続的な支援を行っています。

私はこの団体で計3年間活動していました。

www.rums-spectrum.org.uk

 

ボランティアを始めたきっかけ

もともと日本でも保育園でのボランティアを行うくらい、子どもと交流することが好きだったので、医学部に入学しても定期的に子どもと関わる活動を何かしたいなと考えていました。

医学部の新入生フェアでこの学生チャリティー団体を知り、

  • 障がいを持つ子どもとその家族を直接的にサポートしたい
  • イギリスで存在感の強いサードセクター(非営利団体等)の活動に参加したい
  • (臨床実習を始める前は患者さんと交流する機会が少ないので)低学年のころから学生以外の人と交流を持ってコミュニケーションスキルを伸ばしたい

といった思いから参加を決めました。

 

どんなことをするの?

定期的な家庭訪問

1年の始めに、Spectrumに登録している子どもの中から、ボランティアのこれまでの経験やご家庭の希望に沿って担当が割り振られ、ペアで活動します。

大学の授業後の夕方の時間や土日を利用して、2週間に1回、1時間半~2時間程度家庭を訪問して子どもと遊んだり、親御さんのお話を聴いたりします。

身体障がいが重い場合を除いて、公園に一緒に遊びに行くこともあります。

私は1年目に脳性まひを持つ男の子の担当になり、3年間定期的に会っていました。

会話は難しかったのですが、彼が好きな光るおもちゃや音の出る絵本を持参して、楽しい時間を過ごしていました。

2年目にもなると、彼の様子や欲しいものも何となく感じ取れるようになりました。

私たちが彼と一緒に過ごしている間、ずっと世話をしているお母様の負担を減らすことが出来たと考えています。

彼が私たちとの時間を楽しんでくれていれば本望です!

 

お泊りキャンプの開催

チャリティー団体を対象とした助成金を勝ち取って、年に1度、小学校の校外学習で使われるようなイングランド南部の施設で2泊3日のお泊りキャンプを開催していました。

団体行動が難しい子、生活のあらゆる箇所で支援が必要な子、と参加する子どものタイプも様々なので、安全にキャンプを終えるまでボランティアは神経をとがらせています。

責任感が非常に重く疲れる3日間ですが、子ども達が新しいことに挑戦できるよう毎年プログラムを練るのはとても楽しいですし、子ども達が一生懸命取り組んでいる姿やその様子を報告する際の親御さんの嬉しそうな顔を見ると、とてもやりがいを感じます。

Spectrum RUMSさんの投稿 2020年6月9日火曜日

 ↑最終日にロンドンへの帰路に着く前に撮った集合写真

 

団体執行部としての活動

2年目と3年目は執行部として、

  • 他の学生ボランティアの活動のサポート
  • 訪問時の経費を賄うためのファンドレイジング
  • 初夏のピクニックの企画
  • SNSでの広報、活動報告

も担当していました。

Head on down to the Cruciform foyer at UCL now to grab some goodies. The Spectrum Christmas Bake Sale has arrived and we'll be there till 5pm...unless it's all gone! #UCL #London #spectrum #bakesale

Spectrum RUMSさんの投稿 2015年12月7日月曜日

↑ファンドレイジングの一環で行ったケーキセールの様子

団体としては、UCLのボランティアアワードを2年連続受賞できました。

 

最後に

臨床実習が不定期にある今はこの団体の活動からは離れているのですが、子どもと関わる活動にまた携わりたいなと思っています!

 

和を感じたい自炊生活

医学部に関する記事を書いてばかりですが、今回はロンドンでの自炊生活の様子をお伝えしたいと思います。

ロンドンは外食が高いですし、スーパーに売っているサンドイッチや簡単なパスタでは栄養が偏ってしまいそうなので、大学に入学した時から毎日3食自炊をしています。

また、もともと一人で外食することがないのですが、現在はロックダウン中で友達と会う機会が減り、レストランはテイクアウト営業のみ行っている状況なので、さらに自炊が増えています。

 

作るメニューは基本和食ですが、インドで暮らしていたこともあって昨年から自分の好みでスパイスを調合したカレー作りにもハマっています!笑

最近新しく試してみた料理をいくつか紹介します。

 

あんこ

イギリスのスーパーでは、小豆の水煮の缶詰を売っているので、中身をすべて小さい鍋に入れてひたすら砂糖と煮ていくだけであんこが作れます。

ちなみに私はかなり粒が残っている粒あんが好きです!

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オートミールを使った焼きベーグル

私は朝ごはんにオートミールをお粥のようにして食べているのですが、大きい袋の下に溜まったオートミールは粉々でお粥では美味しく食べられません。

どうにか美味しく食べられないかと考えた結果、卵やココナッツパウダーと混ぜてベーグルの形にしてオーブンで焼いてみました。

もちもちの全粒粉パンのような素朴な味で、とても美味しいです!

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あんこと一緒に食べるのも美味しいです。

 

テンダーステムブロッコリーの辛し和え

日本では菜の花が美味しい季節ですが、イギリスでは菜の花が手に入りません。

それでも大好きな辛し和えを食べたいと思い、イギリスならではのテンダーステムブロッコリーで代用してみました。

テンダーステムブロッコリーは、アスパラのように細長い茎を持つブロッコリーで、穂先に小さなブロッコリーの花の部分がついています。

レンジ調理や湯通しするだけで、茎まで柔らかくなります。

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 菜の花より茎の割合が高いですが笑、辛し和えの味付けがよく合いました!

 

わかめふりかけ

見た目がとても地味ですが笑、韓国食材店で簡単に手に入る乾燥わかめを使って、大好きなわかめふりかけを手作りしてみました。

一度軽く戻してから刻み、味付けしながら炒ったのでかなり時間がかかりました。

ふりかけを手作りすると、いかに塩分量が多いかが分かりギョッとしますね…。

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これから作りたいもの

今回ご紹介した料理はあまり一貫性がないのですが、試行錯誤しながら自炊を楽しんでいます!

去年桜エビの炊き込みご飯が上手く出来たので、今年も春が終わる前に、先日日本食材店で買ったタケノコを使って、日本の春を感じられる炊き込みご飯を作りたいと思っています。

また、日本の居酒屋さんで出てくるような分厚いだし巻き卵が大好きなので、今後作れるようになりたいです!

 

 

医学部在籍中の学士号iBSc ②授業、研究プロジェクト

前回に引き続き、イギリス医学部で1年間医学から離れて興味のある医療トピックについての理学士号を取得するiBScについてです!

今回は、私が去年免疫学・感染症学・細胞病理学のiBScを取得した際の授業や研究プロジェクトについて詳しく書きたいと思います。

 

医学部とは全く異なる授業

他のUCLの学部生と一緒に授業を受けたり、研究プロジェクトをレポートの形にまとめたりするので、医学部とは勉強スタイルが異なり、新しい人との交流もあったので新鮮でした。

1年間で計5つの授業を履修したのですが、特に面白かったのはViruses & Diseases(ウイルスと病気)とAutoimmunity & Transplantation (自己免疫疾患と移植)です。

Viruses & Diseases

何より教授が本当に知的好奇心に満ち溢れていて「ウイルス学についてもっと知りたい!」と思わせてくれる方だったので、履修しました。

授業中のディスカッションでも、他の生徒のアイデアと自分の意見が融合していく過程がとても楽しかったです。

この授業を履修している間にパンデミックが起こるとは思っていなかったのですが…笑

細胞レベルで感染について学んでいたので、勉強内容を現実世界の問題にタイムリーに落とし込んで理解を深められました。

Autoimmunity & Transplantation 

私は、腎移植手術を夏休みに見学するくらい移植手術に興味があります。

移植では、他人の臓器もしくは(骨髄にある)造血幹細胞を患者さんの体内に入れるので、正常な免疫システムはそれらを異物と認識し攻撃してしまいます。

これを「拒絶反応」と呼びます。

新しい組織が患者さんの体内で機能するように、移植を受けた患者さんは免疫抑制剤を服用してこの反応を防がなければいけません。

どのように新しい組織が免疫システムによって標的にされる仕組み、また免疫抑制剤が拒絶反応を防ぐメカニズムを学べたので、より理解が深まりました。

論文抄読ゼミ

授業外では、少人数のゼミで論文の基本的な読み方を学んだり、お互いに最近読んだ論文をプレゼンしあったりしていました。

初めてのエッセイ形式の試験(医学部では実技試験と選択式の筆記試験)は、結局オンラインで行われたということもあり中々大変でしたが、このゼミで論文に読み慣れていたので、課題の論文と自分の知識を融合させて論理的に議論を展開する力が少し伸びたと信じています。

 

研究プロジェクト

授業とは別に、半年強研究室に配属され、自分の興味に合った基礎研究のプロジェクトを行います。

UCL内のラボで研究を行う学生が多いのですが、私はFrancis Crick Instituteという、2020年ノーベル生理学賞を受賞したPeter Ratcliffe教授の研究室もある著名な研究施設で研究する機会に恵まれました。

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 私はここで、がん腫瘍の環境を取り巻く免疫細胞や基質細胞の配置が、肺がんの危険因子(喫煙など)や患者さんのプロフィール(年齢やがんのステージ)によってどのように変化し、また再発や予後にどのような影響を与えるか研究していました。

プログラミング言語をかじりながら機械学習を用いた画像分析ソフトを駆使して、何百枚もの肺がん画像を分析していきました。

研究室内で最終プレゼンを行って研究室長の教授から良いフィードバックをいただけた時や、論文としてまとめ終わった時は、非常に達成感がありました。

また、研究室の壁を越えて様々な研究者の方とお話する機会があったので、臨床医を目指して病院実習をこなすだけでは知りえないような医学研究の重要性や醍醐味を感じました。

 

まとめ

パンデミックの影響で、最後はリモートで研究を進めたりオンラインで試験を受けたりとバタバタして終わってしまったiBScですが、こうやって振り返ると「とても貴重な経験だったな」と改めて感じます。

基礎研究からは離れてしまっていますが、今取り組んでいる医療現場での研究に今後も継続的に関わっていくつもりです。

論文は頻繁に読まないと理解するスピードが遅くなりそうなので、目を通す習慣をつけないとなあ…。

医学部在籍中の学士号 iBSc ①学士号取得の意義

イギリスの医学部では、iBSc (intercalated BSc)といって1年間医師免許取得に向けた勉強から離れて、理学士号(BSc: Bachelor of Science)を取得するシステムがあります。

 

私が在籍しているUCLの医学部では、学士編入の学生以外3年次で全員iBScを行うことになっていて、約20ある選択肢から希望のコースを選択できます。

私は昨年Immunology, Infection and Cell Pathology (免疫学、感染症学、細胞病理学)のコースを選択し、BScを取得しました。

 

以下のページに私の体験談が載っています!

www.ucl.ac.uk

 

iBScが希望制もしくは制度として存在しない医学部に在籍していてもiBScを取得したい場合は、他の医学部のiBScコースに申し込んだり、(珍しいと思いますが)修士課程(MSc)を履修したりする医学生もいます。

医学生の間に1年間臨床医学から離れて研究面に触れるという機会は、日本の医学部にはないと思います。

イギリスでは医師免許取得に5年かかるので、iBScの1年間が最初からカリキュラムに組み込まれている医学部は卒業まで1年多く、計6年かかります。

余計に1年かかっても、私はiBScを取得することに大変意義があると考えています。

 

医学研究にキャリア早期に取り組める

医学研究というと医師になってから本格的に行うイメージがありますが、学生のうちから医学研究に興味を持ち将来どのように研究に携わっていきたいか考えておくことは大切です。

イギリスでは、

  • 複数の診療科を回る以外に研究にも携わる初期研修プログラム(Academic Foundation Programme)
  • 医学部を休学して行う3年間の博士課程(MBPhD)

等、医師としてのキャリア早期から研究に重きを置くプログラムが用意されているので、医学部低学年のうちにiBScで研究に没頭すると、将来これらのコースに進みたいか見極めやすくなると思います。

ちなみに、私は基礎研究にとてもやりがいを感じていたものの、正しい方向に進んでいるのか分からない中で研究し続けて成果を出さなければいけないという環境では、研究トピックに対する好奇心より焦燥感の方が大きくなってしまうと感じました。

そのため、医学部在籍中に博士課程に進学する選択はしませんでしたが、将来診療科を決めてから医学研究に打ち込む期間を取っても良いなと考えています。

 

初期研修、専門医課程のアプリケーションで有利

イギリスでは初期研修のマッチングや専門医課程のアプリケーションの際に、それまでの実績や成績に応じたポイントで順位付けが行われ、上位の人から希望する地区に配属されたり志望するポストに就いたりする仕組みになっています。

iBScの成績もこのポイント加算の対象で、iBScの1年間を通した成績によって、加点される点数が変わります。

(私の学年から、初期研修のマッチングでiBScの成績は考慮されないことになってしまいましたが…)

ちなみにアプリケーションにおいて研究面での実績を評価するセクションでは、iBScの他に、筆頭著者の論文の数や学会での口演やポスター発表の回数等が考慮されます。

そのため、臨床医にも研究に取り組む姿勢を求めていると思います。

 

医学部高学年での実習中に、臨床と研究両方に興味を持つ

iBScの1年間には、授業やゼミ、研究プロジェクトで毎日論文を読む習慣がつきます。

論文中に示されているデータの分析の仕方や論文の収集方法を身に着けておくことで、その後の臨床実習中に、興味のある診療科の先生に掛け合って臨床に根差した研究に携わる機会を掴みに行ったり、自ら研究につながりそうなトピックを探したりできると思います。

 

次回は私の体験談!

ここまで、イギリスの医学部で特徴的なiBScという制度をご紹介しましたが、次回は私が実際に免疫学・感染症学のiBScの1年間に履修していた授業、行っていた研究プロジェクトについて詳しく書きたいと思います!

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↑私がプロジェクトを行っていたロンドン、キングスクロス駅前にある研究施設です!上から見ると染色体の形になっているそうです。

 

コロナワクチン接種の体験談

イギリスでは、臨床実習を行う医学生も医療従事者として早めにワクチンを受けることができます。

なるべく多くの国民にまず1回目の接種を行うため、1回目を打った約10週間後に2回目を打つことになっています。

私は実習先の病院で、1月中旬に1回目、3月下旬に2回目を打ちました。

 

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↑接種会場で渡されるパンフレットと、接種記録カード(裏に接種した日時やワクチンのタイプが記載されています)

 

ワクチン接種まで

医療従事者用のワクチン予約サイトから、好きな日時を選んでオンラインで予約します。

特に体調面で接種に向けて準備しておくことはないのですが、国民保健サービスの登録番号、病院での登録番号、かかりつけ医の連絡先など、当日書類に記入する情報を事前にまとめておきました。

また、薬のアレルギーがある場合は、ワクチンの成分にアレルギー物質が含まれていないか担当の方に確認していただく必要があるので、薬の名前を事前に思い出しておくと当日スムーズです。

ワクチン接種会場で

まず受付を済ませたら、個人情報や↑の情報をその場でフォームに記入し、1つ目のブースに呼ばれるまで待ちます。

ワクチン接種に関する合意

1つ目のブースでは、

  • 書類の記入内容の確認
  • ワクチン接種に伴うリスクの説明
  • 重大な副作用が後日起こった場合に報告するシステムの説明
  • ワクチン接種後もソーシャルディスタンスやマスク着用ルールを守るよう忠告

を行い、ワクチン接種に関する合意を取ります。

ワクチン接種に合意すると、アレルギーの有無を確認した後、2つ目のブースに案内されます。

ちなみに、この1つ目のブースで担当だった方が大の日本好きで、ロンドンの美味しい焼き鳥屋さんを教えていただきました。笑

いよいよ注射!

2つ目のブースで、再度ワクチン接種への合意を確認したのち、注射します。

二の腕の方に近い部分に筋肉注射でワクチンを接種するのですが、1~2秒と一瞬で終わります。

10分間の経過観察

重篤なアレルギー反応(アナフィラキシーショック)は、接種後数分で起こるとされているので、接種後10分間は接種会場内の椅子に座って過ごします。

 

ワクチン接種後

接種後は普段通りの生活を送って良いのですが、接種部位の痛みや体調不良を起こす場合もあります。

私の医学部の友達の中にも、まったく痛みがない人もいれば、発熱が3日間ほど続いた人もいるので、個人差が大きいです。

あくまで一例として、私の接種後の様子を書いておきます。

1回目の接種後

翌日に軽い腕の筋肉痛があっただけで、接種2日後からは特に違和感もありませんでした。

2回目の接種後

お昼ごろに接種したのですが、その日の夜に腕の筋肉痛と頭痛がありました。

翌朝になっても痛みが改善せず、念のため熱を測ったところ微熱があったので解熱剤(パラセタモール)を服用しました。
微熱は接種2日後に、腕の筋肉痛は接種3日後になくなりました。

私の周りでは、1回目より2回目の接種後の方が体調を崩す人が多いと感じています。

 

イギリスの感染・ワクチン接種状況

COVID-19の新規感染者は1日4000人台にまで減りました。

また、ついにイギリスの人口の半分がワクチンの1回目の接種を終えました。

ワクチン接種がこのペースでスムーズに進み、1月のような感染拡大が繰り返されずに規制が緩和されていくことを祈ります…!

しかし、フランスではロックダウンを全国に拡大するなど、ヨーロッパ全体ではまだまだ感染が収まる気配がないので、まだまだ気は抜けなさそうです。

COVID-19に振り回された今学期が終わりました

1月に始まったモジュールが、今日終わりました!

ちょうどイギリスが第2波に追われている時に、COVID-19の影響を直に受ける呼吸器内科、循環器内科、内分泌代謝・糖尿病内科、救急の4つの診療科で実習を行ってきたので、特に大変だったこと、身についたことをまとめておきたいと思います。

 

大変だったこと

病院のひっ迫による実習・授業の減少

COVID-19の感染拡大により、”Emergency”というモジュールにカリキュラムが今学期再編成され、頻繁に実習スケジュールが変わったり、オンライン授業が中止・振替になったりしました。

本来であれば、呼吸器内科と循環器内科それぞれの入院患者さんと外来患者さん両方を診る経験を積みますが、

  • 外来診察が無くなった
  • 2月下旬までほぼCOVID-19の患者さんばかり入院していた

という2つの理由から、結局3か月のモジュールのうち2か月はCOVID-19以外の疾患を診る機会があまりありませんでした。

また、呼吸器系または循環器系の疾患を見つけるための身体検査や聴診器の使い方を練習する際、普段ならBedside teaching(医学生が入院患者さんを診察する様子を医師の先生に評価していただく機会)があるのですが、感染防止の観点から今学期はありませんでした。

内分泌代謝・糖尿病内科においては、外来患者さんも入院患者さんも診る機会がなく、オンライン授業で知識をインプットするのみで終わってしまいました。

そのため、「身に着けるべきスキルが欠落しているのではないか」「行えていない実習分をどう補っていけば良いのか」と焦る気持ちが大きかったです。

 

実習・授業のスケジュールを何度も練り直してくださった先生方に感謝

しかし、病院がひっ迫している状況でも、私たちがなるべく多くの実習経験を積み、(録画ではなく)オンライン講義を受けられるように、先生方が何度もスケジュールを調整してくださいました。

パンデミック前の学生と比べると、確かに今学期は様々な疾患を目にする機会がなく、患者さんを診る時間も減っていましたが、それでも病院内の色々な場所で経験を積み、夜勤やOn call (緊急時の呼び出しのためずっと待機)など異なる勤務形態を体験できました。

 

 

身についたこと

臨床手技

オンラインの臨床手技の授業に加え、2月から少しずつ再開した少人数での対面セッションを通して、今学期は

を練習しました。

これらのスキルは、救急の実習で実際に患者さんに行う機会があったので、慣れてきたと思います!

ma-c-s.hatenablog.com

 

タイムマネジメント

スケジュールがころころ変わる実習や普段の課外活動に加え、今年に入ってから

  • ICUでのコロナ対応
  • オンライン開催の日本の学会での口演
  • 日本の医学生との学術誌レター執筆、提出
  • 新しい医療系学生グループでの活動

など新しいことに取り組んでいたので、時間を効率的に使いタスクをこなしていく能力が今まで以上に求められていたのではないかなと思います。

 

問診

救急の実習ではとても実践的な経験が積めました。

  1. 私がまず患者さんを問診し、簡単な身体検査を行う
  2. 先生に問診・身体検査の所見をプレゼンする
  3. 先生と一緒に患者さんのもとに戻り、症状をおさらいし今度のマネジメントについて話し合う
  4. 先生から私の問診についてフィードバックをいただく

という流れで丸1日過ごしていたので、それぞれの主訴に対して、どのような鑑別診断が挙げられるか、またその中から疾患を特定するためにどのような質問・検査が必要か、考える練習をしました。

学年末試験のOSCE(実技試験)では、5分で問診とプレゼンを終えなければいけないので、もっと経験を積んでいきたいです!

 

来学期も頑張ります!

これから2週間弱イースター休暇なので、遅れている分を取り戻したり後回しになっていた課外活動に取り組んだりしつつ、ちゃんと休養を取りたいと思います。

 

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 ↑イースターが近いので、スーパーには大きな卵型のチョコレートがたくさん並んでいます!!

 

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↑ロンドンでも桜(らしきもの)が満開です!日本の春が恋しいですが、イギリスで春を感じています。